FERRARI 643というマシン。
FERRARI 643 Photo No.004
1991年のシーズン第7戦のフランスGPデビュー。
結果論から言って、このマシンの導入は成功だったのだろうか?
デビュー戦で2位にはなったものの、その後の活躍は見られなかったと思う。
ではなぜこの643をROSSOが1/8スケールというビッグスケールモデルとしてリリースしたのかと考えてしまう。
その裏には当時のF-1ブームやフェラーリのF-1マシンの人気さが見え隠れする。
1991年と言えば、もはやF-1ブームが絶頂期を少し過ぎた時期にも関わらず、F-1モデルブームとしてはまさにピークの真っ只中であった。
日本を代表するプラモデルメーカー[TAMIYA]は、これでもかというほど次々と新作1/20シリーズをチーム最新マシンがデビューする度にリリース。
現在なら何十年に1度出すか出さないかと思われる1/12ビックスケールシリーズをフェラーリ641/2(90年リリース) マクラーレンMP4/6(91年リリース) ウィリアムズFW14B(92年リリース) と立て続けにリリースするのもこの時代がいかにF-1というモータースポーツに日本の観衆が沸いたかお分かりいただけるだろう。
こんなF-1ブーム時代だからこそフェラーリ643という当時成績が冴えないNEWマシンをROSSOがリリースしたのも頷ける。
又、この643がこの大型モデルでリリースされたもう一つの理由にそのデザインが挙げられるのではないか。
スティーブ・ニコルスとジャン=クロード・ミジョーが設計した643デビューまで、639・640・641・641/2・642とジョン・バーナードが今までデザインを手掛けていたものとは全く違ったデザインをこの643に導入し、マクラーレン風なモノコック側面部をカーボン地のまま、モノコック先端が持ち上がったような細いハイノーズというやはり今までとは違うフェラーリに魅力があったのかもしれない。
643最終戦オーストラリアGP、このマシンの低ダウンフォース時に起こる不安定さが解消されていない状態で何度も何度もエンジントラブルを発生した状況下、プロストはチームに対し批判的な言動を行い、この最終戦を待たずにチーム解雇。
プロストがフェラーリを去ることになり「デビューイヤー以来11年ぶりシーズン未勝利」と、643はある意味プロストにとって曰く付きのマシンになったのかもしれない。
by nightrotroom2017 | 2009-04-29 19:42 | FARRARI643